【1998 アリゾナ・スプリングキャンプ・ インターンシップレポート】

早川 和浩 | 1998年4月20日

2,000マイル(3,200キロ)、3日間のロングドライブの末ようやくたどり着いたマリナーズのトレーニングルームで、最初に我々の目にうつったのは、ランディー・ジョンソンでした。思わずボーッと見とれていた我々を、よく通る声とやさしい笑顔で迎えてくれたのが、マリナーズのヘッドトレーナーであり、この研修プログラムのアメリカ側の責任者リック・グリフィンさんでした。リックさんと明日からの研修の打合わせをして、その日は明日に備えゆっくりと休むことにしました。

キャンプは朝7時からアイシング用の氷、タオル、包帯の準備から始まります。そして7時半頃から朝の治療がスタートします。ストレッチ、ホットパック、超音波などのウォームアップからPNFや筋力トレーニングなどによる術後のリハビリまで、個々の選手に指示を出し、60人近くの選手たちを手際良く、グランドに送り出す準備をこなしていきます。9時45分から約2時間の練習中は、グランドで選手にケガのないように目を光らせ、また気になる選手の動きに注意を払ったり、リハビリ中の選手のキャッチボールに付き合ったりします。

そしてゆっくり昼食をとる間もなく午後からのオープン戦に向けて選手への治療をこなし、試合中はベンチでケガの処置や、選手の動きに目をくばります。そして試合後の治療では、アイシングを中心にここでも各選手に治療についての説明と指示を出していきます。そして最後の選手をトレーニングルームから送り出す5時半頃に仕事が終わります。その後自分たちも約1時間ほどトレーニングをして6時半にトレーニングルームを出るまでの12時間がトレーナーの仕事時間です。

我々も研修中は同じスケジュールで働き、マリナーズでは治療全般にわたり手伝わせてもらい、マイナーのフィジカル(身体検査)なども見られ、キャンプで行うことをほぼひと通り経験できました。パドレスではPNFのテクニックを中心にいろいろと教えてもらい、エンジェルスではシアトルと同じように治療全般を経験し、またエンジェルスではスタッフの中にマッサージ師がいて、トレーナーとマッサージ師がどうやって協力していけば良いかいろいろ教えてもらいました。残念ながら体調を崩しブリューワーズでの研修ができませんでしたが、我々にとって大変貴重な体験ができました。

これからもこの研修が続いてゆき、トレーナーを目指す人々の目標になることを願っています。最後に我々にこの研修の機会をくださったJBATSの川島代表、またPBATSのメンバーの方々にお礼を申し上げたいと思います。


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